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09082023
Category: Webサイト・ホームぺージ

医療広告ガイドラインとWEBサイト【Vol.2 比較優良広告】

医療広告ガイドラインとWEBサイト【Vol.2 比較優良広告】

クリニックや病院、診療所といった医療機関のWEBサイトにおいて、遵守しなければならないのが、厚生労働省が施行する『医療広告ガイドライン』です。

Vol.2の今回は、医療広告ガイドラインで規制対象となっている広告から『比較優良広告』について、禁止事例を確認していきましょう。

禁止される広告事例【比較優良広告】

『比較優良広告』では以下の3つに該当する表記が禁止されています。
①最上級の比較表現
②他の医療機関との比較表現
③著名人との関係性強調

①最上級の比較
・最高の技術でお悩みの症状を改善します。
・県内で最多の症例数を誇ります。
・最新の検査機器を導入しています。
・当院の医師はトップクラスの技術を有します。

他の医療機関との比較表現
・国内で当院が初めて取り入れた治療法です。
・他院で行う施術より3倍の効果を得られます。

・この麻酔方法を導入しているのは当院だけです。
・他院で満足できなかった方も心配いりません。

③著名人との関係性強調
・野球の○○投手の施術を担当しました。
・サッカーの○○選手も受けた施術メニューです。
・モデルの○○様がご来院されました。
・歌手の○○さんも大満足の施術効果です!

医療広告ガイドラインの指導と措置

違反が発見された場合、即時罰則が適用されるというわけではありません。医療広告ガイドラインの内容をもとに、広告違反の指導および措置について記載します。

(1) 調査および行政指導
違反が疑われる内容を発見した場合、まずは任意調査として、当該の医療機関に対して説明を求め、調査を行います。併せて必要な場合には、広告代理店・制作会社など、広告を作成した者に対しても、任意での調査や指導を行います。
調査により違反が認められた場合は、行政指導として広告の中止や広告内容の是正を医療機関に求めます。

(2) 報告命令または立入検査
医療機関が任意の調査に応じない場合や、提出書類や説明に疑義がある場合など、必要と判断した際には、法第6条の8第1項の規定に基づき、都道府県知事、保健所設置市の市長又は特別区の区長から、医療機関に対し「報告命令」が出されます。
または、施設・事務所に立ち入り、違反広告に関する文書(診療録、広告内容が正確であるかを確認するために必要な書類等)や物件(施設設備、医療機器など)の調査を実施します。

(3) 中止命令または是正命令
医療機関が行政指導に従わない場合や、違反を繰り返すといった悪質な場合には、法第6条の8第2項の規定に基づき、医療機関に対して、期限を定めて当該広告を中止、またはその内容を是正すべき旨を命じます。

(4) 告発
・報告命令に対して報告を怠ったり、虚偽の報告をした場合
・立入検査を拒ぶ、妨げる、忌避等をした場合
・中止命令もしくは是正命令に従わず、違反広告が是正されない場合
当該医療機関が上記に当てはまる場合には、刑事訴訟法(昭和 23 年法律第 131 号)第 239 条第2項の規定により、書面による告発を行うことが考えられます。

(5) 行政処分(法第 28 条、第 29 条関係)
医療機関が悪質な違反広告を行った場合には、(4)に示した告発のほか、行政処分として、病院又は診療所の開設許可の取り消し、または開設者に対し、期間を定めて閉鎖を命ずることが可能であるため、行政処分の実施が考えられます。

医療広告ガイドラインに違反してしまったら?

もし気付かずに違反してしまったら、早急に是正を行うことが何よりも大切です。修正に応じなかったり、調査に非協力的な態度を取ることは最悪の場合、行政処分を招き、医療機関の開設許可の取り消しに繋がります。

医療広告ガイドラインを遵守した広告づくりや、WEBサイトの運用はもちろんのこと、医療広告を行う者の責務として、患者様が広告内容を正しく理解し、適切な治療方法を選べるように、客観的で正確な情報の伝達に努めましょう。

■より詳細な内容はこちら
医療法における病院等の広告規制について(厚生労働省ホームページ)